2008年2月28日木曜日

Vista's Bar 釘師


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地上にネオンが輝きだすと、人は止まり木に腰を下ろします。
ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、たゆみない地球の営みが聞こえてきます。
今宵、カクテルに酔いしれ、女の話、男の話、パチンコの話を語らいましょう。
Vista's Barにようこそいらっしゃいました。」
マスター笑顔でお出迎え
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between 9:00 P.M. and 10:00 P.M.
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(田中(P業界の人)がドアを開けて、職人風の老人と入ってきて止まり木に腰を下ろします)

ママ「いらっしゃい。」

田中「こちらは私の大先輩です。」

老人「児玉といいます。」

ママ「ごひいきにお願いします。」

田中「昔は児玉さんが打つ釘をいつも良く見させていただいていました。」

児玉「後ろで見られるのは好きじゃないが、君の熱心さに負けたんだよ。」

田中「確かに釘を打つ人は見られるのを嫌いますね。

朝の4時5時、屋台が閉店するのをむりやり頼んで、一緒に「うめ割」を飲んだのがいい思い出です。」
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(児玉はしわくちゃの顔をほころばせてうなづく)

(マスターがウィスキーのオンザロックを2人にさしだします)

児玉「私はうめ割やホッピーの方がにあうんだけどね。こういうところはあまり縁がないな。」

ママ「そういわずに時々顔をだしてくださいな。パチンコ好きの方もよくいらっしゃいます。」

田中「あのころはメーカーの人が開店釘を打ちに前夜から入っていました。

開店当日、私も若かったので今割り数どれくらいか聞いたものです。

彼は「そんなにいってない。やばい。」なんて顔をひきつらせていました。(笑)」

児玉「ご祝儀も出たよね。めったにこない人までが来たりして。」

田中「変わりましたね。」

児玉「板に赤黒のレシートを貼り付けただけがデータだった。」

児玉「客にもすごいのがいた。板ゲージ1枚の差を見抜いていた」

ママ「板ゲージって?」

田中「釘の間を測るスケールです。0.25mmごとに違っていました」

児玉「客を殺すのは最低だと思っていた。遊び代分だけをうすーっく頂くのがあたりまえだった」

(ママはうなずきながら空いたグラスをマスターに渡します)

児玉「釘の仕事は、一生修練の毎日だと思う。

知識や腕を磨くのはもちろん、お客様にどうやってお店で楽しんでいただくか、そしてお客様が望まれるものを、日々見極めなければいけないんだ。

 「日々是修練」と思いながら、私はいつもモニターの前でお客様をお迎えしていた。」
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(田中はいい勉強になると神妙に聞いています・・・)
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今宵ひと時お楽しみいただけましたでしょうか?
またのご来店をお待ちしております。
どうか、パチンコビスタを通ってお帰りください。
おやすみなさい!

2008年2月25日月曜日

Vista's Bar  FREE HUGS(「一緒にハグ(抱擁)しませんか」)




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マスターはこのナレーションが好きです。
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遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。
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満天の星をいただく、はてしない光の海をゆたかに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
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光と影の境に消えていったはるかな地平線も瞼に浮かんでまいります。
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日本航空があなたにお送りする音楽の定期便ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です
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Vista's Barにようこそいらっしゃいました。」
マスター笑顔でお出迎え
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between 8:00 P.M. and 9:00 P.M.
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(幸夫と哲也が店に入ってきて止まり木に腰をおろします。哲也店内を見回すが亜希の姿が見えません)

哲也「亜希ちゃんは?」

ママ「少し遅刻するって」

哲也「ふ~ん」

(マスターはちらっと哲也の失望している顔を見て微笑みながらグラスを磨いています。そこに亜希が飛び込んできます)

亜希「おはようございます。ママ、すみません」

(亜希は2つおりのダンボールをカウンターの隅におきます)

佐伯(自称パチプロ)「なんだ。それ」

(亜希はダンボールをひろげながら)
亜希「 FREE HUGSていうの < 一緒にハグ(抱擁)しませんか > て街頭で「FREE HUGS(フリーハグ)」と書かれたボードを持ってサインを送るの。

そして見知らぬ人と抱き合うのよ。
で生きている喜びを分かち合い、苦しみを癒やそうという運動。

口コミで全国にはやっているわ。 」

佐伯「変なものがはやっているんだ」

亜希「哲也!。立って!。両手をひろげなさい」

(慌てて哲也は立って亜希の前に行きます。亜希は哲也とだきしめあいます)

亜希「佐伯さんもやってみる?」

佐伯「ばか。つきが判からない女とは手もさわりたくねえよ」

亜希「つまんない男」

(といいながらカウンターの中に入る。幸夫と哲也の前に立ち、一呼吸おいて)

亜希「哲也。 哲也の童貞、私が奪ってあげるからね。いつでもいいよ。」

(哲也の目は完璧に点になってしまいました。あわてて、隣の幸夫に話しかけます)

哲也「先輩、CRエイリアンVSプレデターを打ってきました・・・・」
(しどろもどろで話す哲也の横顔を亜希はじっと見ています・・・・・)


2008年2月22日金曜日

Vista's Bar 常連客



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地上にネオンが輝きだすと、人は止まり木に腰を下ろします。
ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、たゆみない地球の営みが聞こえてきます。
今宵、カクテルに酔いしれ、女の話、男の話、パチンコの話を語らいましょう。
Vista's Barにようこそいらっしゃいました。」
マスター笑顔でお出迎え
♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥
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between 10:30 P.M. and 11:30 P.M.
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(ドアを開けて自称パチプロの佐伯が入ってきてカウンターに座る)
亜希「勝ったでしょう」

佐伯「どうして判る?」

亜希「顔に書いてある」

佐伯「小娘に読まれるようじゃ、ばくちでは食っていけないな」

(口をとがらせて)
亜希「小娘って誰のことよ」

佐伯「亜希に決まってんだろう」

亜希「小娘じゃありませんりっぱな大人の女です」

(ママ冴子が間に入ってきて)
ママ「いらっしゃい、いつものでいい」

佐伯「ああ」

(マスターがジントニックのグラスをカウンターにおきます)
ママ「このごろついているじゃない?」

佐伯「フフ。女を変えたわけじゃないけどな」

亜希「彼女を変えるとつきがかわるの?」

佐伯「昔からそういわれている。アゲマン、サゲマン、映画にもなっていただろう。福マンて言っていた気がするが映画の力はすげーや」

(佐伯はジントニックを飲みながら・・・)
佐伯「男は勝手なもんで、ついている女と付き合うと自分の運を全部吸い取られると思う。
ついていない女と付き合うとアリジゴクの穴に吸い込まれた気になる」

亜希「じゃ~。どっちでもだめじゃん」

佐伯「付き合うときは覚悟がいるということさ」
(その後は、何箱つんだと言う話が延々と続く・・・・
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2008年2月21日木曜日

Vista's Bar 業界の方



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地上にネオンが輝きだすと、人は止まり木に腰を下ろします。ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、たゆみない地球の営みが聞こえてきます。今宵、カクテルに酔いしれ、女の話、男の話、パチンコの話を語らいましょう。
「Vista's Barにようこそいらっしゃいました。」
(マスター笑顔でお出迎え)
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♠♠♠♠♠

between 7:00 P.M. and 8:00 P.M.

(40前の客二人がドアをあけてはいってくる。アルバイトの亜希がお絞りを出して注文を聞きます)
田中「とりあえずビール。ジョッキ生大で2つ」

田中「では、乾杯」

鈴木「お疲れ様です」

(着物姿のママ冴子がお通しをもって近づいてきます)
ママ「鈴木さん。おひさしぶりですね。どこで浮気していらっしゃたのですか?」

鈴木「おっ。名前を覚えていてくれてましたか。いろいろ仕事が忙しくて申し訳ない」

田中「鈴木さんとは、最初に大手のS会館の本部にご一緒した時のことが忘れられません。」

鈴木「その当時のP統括部長に会ったときのことですね。」

田中「そうです。鈴木さんがいきなり、お店にとって「よいメーカー」とはどんなメーカーですかと質問されましたよね。」

鈴木「そうでしたね。」

田中「メーカーであればおそらく一番聞きたいことだと思いますが、あんなに率直な質問をするのにはびっくりしました。「なんて素人っぽい質問をするメーカーなんだ」と思われかねませんからね。相手がなんて答えるかどきどきしていました。」

(ジョッキーを口から離し、微笑みながら)
鈴木「すみません。まだ、会社に入って間がないときでしたから」

田中「いえ、いいことを聞いてくれました。P業界にどっぷりつかりこんだ私には考えもしない質問でした。答えを覚えていますか」

鈴木「はい。第一に技術力のあるメーカー。第二に商品情報を的確に提供してくれるメーカー。そして第三に「厚かましいですが」といいながら「店舗での営業活動をサポートしてくれるメーカー」でした」

田中「そうでしたね。今日は新しい台のコンセプトをその3つの点から考えてみましょう。」
(2人の会話をママは静かに聞いています・・・・・・・・)

2008年2月18日月曜日

Vista's Bar 開店



☆地上にネオンが輝きだすと、人は止まり木に腰を下ろします。ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、たゆみない地球の営みが聞こえてきます。今宵、カクテルに酔いしれ、女の話、男の話、パチンコの話を語らいましょう。「Vista's Barにようこそいらっしゃいました。」(マスター笑顔でお出迎え)☆

btween 9:00PM and 10:00PM

(若い男2人が入ってくる)

ママ「幸(ゆき)ちゃん、いらっしゃい」

幸夫「こいつは田舎の後輩」

哲也「哲也といいます宜しく」

ママ「お若いのね、お幾つ・・・」

哲也「・・・・20歳です」

幸夫「ママ野暮な質問はしないの」

(ママは微笑みながら2人の前におしぼりをおく)

哲也「先輩、エバァンゲリオン打ったすよ」

幸夫「・・・・・・・・・・・・・・」

哲也「レイの顔、誰かに似てないすか?」