2008年2月25日月曜日

Vista's Bar  FREE HUGS(「一緒にハグ(抱擁)しませんか」)




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マスターはこのナレーションが好きです。
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遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。
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満天の星をいただく、はてしない光の海をゆたかに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
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光と影の境に消えていったはるかな地平線も瞼に浮かんでまいります。
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日本航空があなたにお送りする音楽の定期便ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です
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Vista's Barにようこそいらっしゃいました。」
マスター笑顔でお出迎え
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between 8:00 P.M. and 9:00 P.M.
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(幸夫と哲也が店に入ってきて止まり木に腰をおろします。哲也店内を見回すが亜希の姿が見えません)

哲也「亜希ちゃんは?」

ママ「少し遅刻するって」

哲也「ふ~ん」

(マスターはちらっと哲也の失望している顔を見て微笑みながらグラスを磨いています。そこに亜希が飛び込んできます)

亜希「おはようございます。ママ、すみません」

(亜希は2つおりのダンボールをカウンターの隅におきます)

佐伯(自称パチプロ)「なんだ。それ」

(亜希はダンボールをひろげながら)
亜希「 FREE HUGSていうの < 一緒にハグ(抱擁)しませんか > て街頭で「FREE HUGS(フリーハグ)」と書かれたボードを持ってサインを送るの。

そして見知らぬ人と抱き合うのよ。
で生きている喜びを分かち合い、苦しみを癒やそうという運動。

口コミで全国にはやっているわ。 」

佐伯「変なものがはやっているんだ」

亜希「哲也!。立って!。両手をひろげなさい」

(慌てて哲也は立って亜希の前に行きます。亜希は哲也とだきしめあいます)

亜希「佐伯さんもやってみる?」

佐伯「ばか。つきが判からない女とは手もさわりたくねえよ」

亜希「つまんない男」

(といいながらカウンターの中に入る。幸夫と哲也の前に立ち、一呼吸おいて)

亜希「哲也。 哲也の童貞、私が奪ってあげるからね。いつでもいいよ。」

(哲也の目は完璧に点になってしまいました。あわてて、隣の幸夫に話しかけます)

哲也「先輩、CRエイリアンVSプレデターを打ってきました・・・・」
(しどろもどろで話す哲也の横顔を亜希はじっと見ています・・・・・)


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